願海寺新聞 第57号 – 浄土真宗本願寺派 新井山 願海寺 浄土真宗本願寺派 新井山 願海寺

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願海寺新聞 第57号

発行:2018年7月

こんにちは!梅雨に入り気温も高い日が多くなってきました。お坊さんの衣はまるでサウナスーツのようで、毎日健康的に(?)汗を流しながらお参りに回らせて頂いております。
さて、近頃は毎日のようにこの日本各地で起き続ける残虐な事件についての報道を目にします。いったいこの日本はどうなってしまっているのでしょうか…?明治以降の近代化によって科学技術はとてつもない進化を遂げ、戦後の高度成長では経済的な豊かさも手にしてきました。私たち日本人は、この150年ほどを「科学・文明の発展」と「経済成長」こそが「幸せ」であると信じ疑うことなく突き進んできましたが、その一方で「心」は置き去りになり、現在の日本には行き詰まり、閉塞感が蔓延(まんえん)しています。この150年の結果として、「物質的・経済的な裕福さだけでは幸せになれない」と私たちは知ったわけです。「心」を失ってしまっては、もはや人間ではありません。それは他人事ではなく、この私の問題です。今こそ私たち現代人は、真の人間と成るべく「心を育む道」に目覚めていかねばならないのではないでしょうか。全ての人の平和を念じて…南無阿弥陀仏 合掌 弦

仏の教えを愛し楽しみ喜ぶ心

Q『お経を読めばご利益があるの?』

お釈迦(しゃか)様の教えは八万四千の法門といわれ、お経(きょう)の数も実にたくさんありますが、それは、教えを説く相手に合わせたご説法をお釈迦様がなさっていたからです。現在、用いられている経典には、歴史学として見れば、実際にお釈迦様ご自身が説かれたわけではないと考えられる経典もたくさんあります。ですが、それは邪道などということではなく、お釈迦様が説かれた仏教の真理・思想が、時を重ねる中で論理的に整理されていき、深化し進化してきたということです。
それら経典の中で、浄土真宗では『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)』『仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう)』『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)』の3つ、総じて『浄土三部経』を依りどころとしており、中でも『仏説無量寿経』を根本経典として、そのみ教えを頂いています。
もちろん、お経は魔法でも呪文でもありません。ですから、たくさん読めばご利益(りやく)があるとか、写経をすれば功徳が積めるといったものではありません。経典に説かれている教えを「我が事」として受け止め、「道」を実践していかねば何の意味ももちません。
「道」とは浄土真宗では「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」のお念仏ただ一つのみですが、念仏というのも死後のことを祈り願っているわけではありません。念仏とは私が称(とな)えるものであると同時に、そこに込められた仏さまからの願いの御声を聴かせて頂くということです。それは、私が「正しい」と思っていること、「中心」だと捉えていること、それらに対して「本当に正しいの?」「本当に中心なの?」という問いと揺さぶりを与えてくれるおはたらきです。私ががんじがらめになっている「自分」という縛り・枠組みを超えて、モノの見方が転換されていくわけです。つまり、念仏の道を歩むとは、仏さまの目を依りどころとする生き方が育まれるということであり、「今・ここ」の私自身が問われ続けていくということです。仏さまに寄り添われ、このいのちを精一杯に生き抜かせて頂きましょう。 なもあみだぶつ♪

行事案内

楽しい仏教入門 8/23(木)18:30~20:00 8/24(金)13:30~15:00

お経を称える会 9/27(木)18:30~20:00 9/28(金)13:30~15:00

僧侶似顔絵
村上 巧弦
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