願海寺新聞 第84号 – 浄土真宗本願寺派 新井山 願海寺 浄土真宗本願寺派 新井山 願海寺

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願海寺新聞 第84号

発行:2020年10月

こんにちは!
厳しかった残暑もやっと落ち着き、涼しくて過ごしやすくなりましたね♪
さて、秋といえば浄土真宗では報恩講の季節です。ご門徒さまの家庭報恩講にもこの時期にたくさんお伺いしていまして、久し振りなご門徒さまにお会いできることがいつも楽しみです。
各寺院におきましても秋に報恩講法要が営まれますが、今年は新型コロナウイルス対策として願海寺では例年は11月3日と4日のところを、今年は3日(火・祝)のみと致します。本堂は窓を開け換気、椅子は間隔を取る、お仲間寺院さまは迎えず願海寺僧侶と門信徒さまのみでの法要となります。
しかし、縮小とはいえ、報恩講法要は最も大切な法要ですから、皆様に「ああ、行ってよかった」と感じて頂けるよう、暗い雰囲気にならず、賑々しく営ませて頂く所存です。お昼ごはんにはお弁当と、名物(?!)のこだわりスパイスカレー(遺徳カレー)もご用意致しますよ♪午後は私・巧弦も少しお話しをさせて頂きますので(親鸞聖人について)、お付き合い頂けますと幸いです!
合掌 南無阿弥陀仏

如来 一切のために、つねに慈父母となりたまへり。
『涅槃経』

宗教ってなぁに?~日本編②~

仏教は飛鳥時代(6世紀)に公式に日本にもたらされ、聖徳太子(厩戸皇子)の『十七条憲法』によって仏教のもつ平等・平和の精神と、それを実践するという理念が示されたことで、日本仏教の礎が築かれました。
仏教伝来は、日本人の生き方・考え方に影響を与えた(人格の陶冶)他にも、経典によって漢字(文字)、寺院によって建築様式や技術、仏像によって造形美術など、日本文化の形成と発展をもたらしてくれたのです。

聖徳太子の亡き後も、国家として仏教を受容してはいきましたが、しかし、太子が示された仏教理念の本質は失われ、天皇・国家の安寧や、天災・疫病の収束など祈願をさせるための呪術的な利用となってしまうのでした。
しかも、民衆への伝道も徹底的に禁じられてしまったことで、大乗仏教の「みな共に誰もが救われていく」という精神までも完全に削り取られてしまいます。
しかし、また一方では、国家の援助を得ることによって当時最新の中国の仏教が輸入され、仏教教学への学問・研究も進んでいったのでありました。

このように、歴史というのは実に複雑であり、単純に一つの側面からだけ見て物事の善し悪しを決めることはできません。奈良時代において、仏教の本質的な精神が失われてしまっていたのは悲しいことですが、でも、一部の限られた人たちの中のみで、しかも誤った形であっても「仏教」という宗教がこの日本の地に根付いてくれていたからこそ、いま私たちも仏教に出遇えているのであり、それは喜ぶべきことでもあるでしょう。
感情論に流されず、物事を多面的に俯瞰する(自分の思いを脇に置いて客観的に捉え、ありのままに見る)ことは、私たちの人生においても大切な「気付き」をもたらしてくれるのであります。

なもあみだぶつ♪

クイズ

先月号『宗教ってなぁに?~日本編①~』にある『十七条憲法』「篤く三法を敬へ」の「三法(さんぼう)」は誤字になっていました。
では、正しくは以下のどれでしょう?

①三棒
②三坊
③三宝

☆先月の答えは「3.聖徳太子」でした!

僧侶似顔絵
村上 巧弦
願海寺新聞